過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―5―
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948: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/02/15(木) 18:12:44.72 ID:YSodv2Da0
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番外『ソレイユのフォレオ追跡紀行』

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「可愛い」

 ぼそっと呟いたあたしの気配を感じたのだろう。落ち着いた色の帽子が振り返った。
 しばしの間、歩いてきた道を見ると、やがて何事もなかったようにテクテクと歩き始める。その足取りはとても穏やかで、あたしの存在に感づいたわけではないようだった。いつもの可愛らしい服ではなくて、旅行客を思わせる服装でフォレオが前方を歩いている。そして、あたしは彼を追っていた。
 いつもの暗夜の紋章が施されたレザーアーマーではなく、一般観光客を装った出で立ちだ。それはもちろん、フォレオにばれないためである。

「うん、やっぱり可愛いなぁ〜」

 久しぶりに見えるフォレオの姿に私はため息を漏らす。あの巻かれた髪もそうだけど、何より溢れる女の子らしさ、それを見ただけで体中の細胞一つ一つが、ぱあっと花開くような感覚に陥る。いや、実際陥っていると思う。それくらいフォレオはあたしにとっておいしい栄養なのだ。

「ああ、今すぐ抱きしめたいよぉ。こんなに長い間、フォレオを抱きしめてないなんて、ちょっと信じられないくらいだし」

 あふれ出た欲望を口にしながら、でも飛び出さないように細心の注意を払って、フォレオの後を追いかける。
 いつもならすぐに飛び出すところだけど、今はそうもいかない。

「オフェリアとエポニーヌのために、ちゃんと探ってからにしないとね」

 今、王都にいるフォレオの臣下である友人たちを思う。
 どうして二人がフォレオと共に行動していないのか。そして、あたしがなぜこうしてフォレオから隠れて行動しているのか。
 それは一週間ほど前、クラーケンシュタイン城に向かって日課を熟そうとしたときに遡る。


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