過去ログ - 【FEif】カムイ「私の……最後の願いを聞いてくれますか?」―5―
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982: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 19:29:16.96 ID:YQSvpWbd0
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 セレモニーが終わり、屋敷に戻るとカザハナとツバキはすぐに部屋へと戻る。それは自分たちに出来ることは今なにもないと言っているようにも感じられた。
 二人は多分信じているんだろう、サクラ王女がいつかきっとそのことを話してくれる。だから、今は静かに待つのが私たちに出来ることだということを。
 そして、私はその理由をサクラ王女から聞くべきだと思った。
以下略



983: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 19:33:53.97 ID:YQSvpWbd0
「……」

 あの日と同じでじっと静かに月を眺めている。どこか儚げに感じたシルエットもそのままに、彼女はそこにいる。それに話しかけないでもいいと、考える自分もいた。サクラ王女の悩みに手を差し伸べたところで、もしかしたら意味などないのかもしれない。そう考えれば自室に戻ってしまうのもいいだろう。

「……そうはいかないわよね。あんな顔をされちゃったら……」
以下略



984: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 19:39:38.78 ID:YQSvpWbd0
「カミラさん、あの約束覚えてますか?」
「月が同じに見える理由を、私に最初に話してくれる約束の事?」
「はい、覚えててくれたんですね」
「サクラ王女が私に最初に話してくれるんだもの、忘れるわけがないわ」
「はい、ありがとうございます」
以下略



985: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 19:46:48.99 ID:YQSvpWbd0
「私、白夜にいる頃からずっと守られてばかりだったんです。常に危ないことから守られる立場で、危険なことを進んでやるなんてこともありませんでした。お城にいるときも侍女の方がいて、軍議への参加も強制されていませんでしたし、何か怖いことがあるとお母様が優しくしてくれて、私はずっとそうやって過ごして来ました」

 それはなんと恵まれた世界だろうか、幼少期の私にはそんなものは無かった。常に親族の争いに怯えて、出来る限りお母様同士の争いに巻き込まれない様にと願う日々。私が泣いてもお母様がそれを殺めてくれたことはほとんどない。機嫌がいい時は違う母親の子が死んでしまった時くらいだった気がする。

「あの日、カムイ姉様を追いかけた時、私は何かが変われていた気がしたんです。守られるだけじゃない私になる事が出来た気がして……。でも、それは違いました。さっきの会場で、わかってしまったんです。私は守られることをどこかで当然のことのように思っていて、それが普通の事だと思っていたんです。月を見て何も変わってないって思ったのは、何も変わっていないことを誤魔化したかっただけで、結局私は成長も何もしてなかった…。私の身勝手が多くの出来事を引き起こしたかもしれないのに……」
以下略



986: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 19:48:48.45 ID:YQSvpWbd0
「……」

 それを優しい言葉で繕うことは簡単だ。なぜなら、弱まった心にはそういった言葉が良く浸透する。
 状況が状況だ、仕方ない、あなたの立場を考えれば仕方のないことだ、言葉の形は色々だけど、その本質は同情という名の逃げていいという口実で、今のサクラ王女はそういった言葉を求めているわけじゃなかった。
 サクラ王女は慰めてほしいからこういう話をしているんじゃない。ただ迷っているだけ、ならそれに少し手を差し伸べるのが私に出来る事だ。
以下略



987: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 19:54:20.83 ID:YQSvpWbd0
「カミラさんはどうして、そう言ってくれるんですか?」
「ふふ、サクラ王女を見ていると、昔の私のことを思い出すの。あなたみたいな悩みではなかったけれど、そこに共通していた悩みの形は同じだったはずだから」

 私はずっと恐怖にさらされてきた。ずっと、ずっと。だけどそれはカムイと出会って変わったことだ。
 私は、私よりも悲惨な彼女を助けたいと思った。今まで自分が逃げていても手に入れられなかったものを、この子に与えたいと思ったのだ。
以下略



988: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 19:56:37.25 ID:YQSvpWbd0
 サクラ王女が静かに涙を流し始めると、私の手が強く握られる。背中越しに聞いたサクラ王女の悩みが溶けだしていくようにも感じた。

「私、誰かを守れる人になりたいです……。今まで、いっぱい、いっぱい守ってもらえた分、誰かを、誰かを守れる自分になりたいです……」
「ふふ、素敵な夢ね」
「カミラさんのこともきっと、きっと守れるようになりますから……」
以下略



989: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 19:58:12.05 ID:YQSvpWbd0
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「あの、みなさん昨日はお騒がせしました」

 そうサクラ王女が頭を下げて現れたのは、ツバキとカザハナに今後の事について意見を聞いている時だった。昨日の夜の事を思い出しながら、私の対面に腰かけるサクラ王女に笑みを返す。
以下略



990: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 20:02:04.01 ID:YQSvpWbd0
「ごめんなさい。本題に入る前に一つだけいいかしら?」

 私はそう言って、三人と向き合った。
 カザハナ、ツバキ、そして、サクラ王女。この三人に出会うことが無ければ、私はきっとカムイと一緒に過ごしているだけだったのかもしれない。
 それも確かにいいことね。でも、こうして選んできたこの道にも、確かな意味があるのだと私は思う。いや、この道を進んだからこそ得ることのできる物が確かにあるのだから、私はこうして伝えなくちゃいけないんだと思う。
以下略



991: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 20:12:21.32 ID:YQSvpWbd0
○カムイの支援現在状況●

―対の存在―
アクアA
(カムイからの信頼を得て、その心の内を知りたい)
以下略



992: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 20:13:11.33 ID:YQSvpWbd0
 仲間間支援の状況-1-

●異性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・レオン×カザハナ
以下略



993: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 20:13:47.53 ID:YQSvpWbd0
仲間間支援の状況-2-

●同性間支援の状況
【支援Aの組み合わせ】
・リンカ×アクア
以下略



994: ◆P2J2qxwRPm2A[saga]
2018/03/11(日) 20:22:33.98 ID:YQSvpWbd0
今回のスレはここまでになります。一ヶ月近く更新できずに申し訳ありません。

 サクラはこういう悩みも抱えているんじゃないかなっていう感じの話です。
 
 次スレは少ししたら立てる予定です。長くなりすぎていますが、次もよろしくお願いいたします。
以下略



995:名無しNIPPER[sage]
2018/03/11(日) 20:25:13.11 ID:UQGSw0SI0
更新乙!

マークス×リンカで


996:名無しNIPPER[sage]
2018/03/12(月) 03:05:46.69 ID:dAw02+qDO
エリーゼ×カザハナでお願いします


997:名無しNIPPER[sage]
2018/03/12(月) 10:00:28.23 ID:NUIDYF1ao
最後だと牽制しあいになりそうだなww



998:名無しNIPPER[sage]
2018/03/12(月) 11:36:39.36 ID:gFeXuyaPO
前もレオンAなのにAに含まれてなかったけど特別イベントあんのかな?
安価ならエリーゼ


999:名無しNIPPER[sage]
2018/03/12(月) 11:51:24.86 ID:gFeXuyaPO
確認してきた
>>470でAになったけど>>850でA以外にいて、直下>>851で修正された後またA以外にいるから特別なわけじゃなく単に抜けっぽいかな
加速


1000:名無しNIPPER[sage]
2018/03/12(月) 12:00:11.61 ID:x125OwtYo
ルーナ


1001:1001
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                     ___, - 、
                    /_____)
.                    | | /   ヽ || 父さんな、会社辞めて小説で食っていこうと思うんだ
                    |_|  ┃ ┃  ||  
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