4:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/08(日) 15:17:54.43 ID:3OYwXlIW0
今もまだ、この湯呑みを使っていた頃の記憶が残っている。それを反芻していると、深い喪失感と悲しみが胸を打つ。
でも、この感情が堪らなく愛おしいのだ。
自分が変人だということは重々理解している。頭のおかしい狂人だと罵られても、おかしくはない。
だとしても、これでいい。
誰も知らない私だけの秘密。
これまで壊すことが許されるものと許されないものの境界を計りながら、破壊する快楽をいくつも味わってきたけれど、まだ一つだけ壊したことがないものがある。
人だけは、まだ一度も壊したことがないのだ。
もし人を壊してしまったら、一体どんな感情を覚えるのか。心という源泉から溢れ出す水は、どんな色をしているのか。きっと見たこともなければ、想像もつかない素晴らしい色をしているのだろう。
理由もわからないまま、喉がごくりと鳴った。
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