13: ◆GWARj2QOL2[saga]
2017/01/11(水) 23:20:20.87 ID:rRiEBhHTO
『♪』
「うわっ!!?」
呆気にとられた瞬間、間髪入れず訪れる。
ケースの中から聴こえてくる、メロディ。
「…?」
チープな、昔のおもちゃのようなメロディ。
その音を発する物が何なのか分からなかったが、ケースの中に入っている事から推測する。
「…ケータイ?」
自身のプロデューサーも、会社用の携帯電話を所有している。
最も、彼女が取り合う連絡先は彼の本来の方であるが。
しかし、そういったことは他の会社では中々ない。
つまり、このケースに入ったそれは、恐らく会社用のものなのだろう。
「…困ってる…のかな…?」
もしかしたら、本来の持ち主がこれをこれを探し求めて決死の思いで電話しているのかもしれない。
もしくは、会社の人間が一早く事態を察知し連絡してきたのか。
『♪』
「…」
鳴り続ける携帯電話に、果たしてどちらが良心的なのか、必死で考える。
ケースを開けて電話を取るのか、取らずに放っておくのか。
「…中、見なきゃ良いよね…」
連絡を取って、このケースを取りに来てもらう。
そのことよりも、今はとりあえず会話する相手が欲しい。
それが見知らぬ男であれ何であれ、彼女は目を閉じてケースを開け、携帯電話だろうそれを手の触感のみで探る事にした。
…。
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