41: ◆GWARj2QOL2[saga]
2017/01/12(木) 21:20:22.76 ID:gex3pyg2O
…。
「…ッ…」
少女は、焦っていた。
「…ハァ…ハァ…」
起きた場所が、見知らぬ所。
妙なコスチューム。
見覚えのないケース。
何処にもいない、話し相手。
「…ハー…」
ではない。
それにはもう、慣れてしまった。
ならば、何か。
「…」
この、慣れない感覚だろうか。
黄色の線が入った、戦闘服のようなもののせいだろうか。
血の抜けていく、感覚だろうか。
血液が、圧倒的に足りないからだろうか。
「…」
それは、少し。
見たことのない、想像すらしない化け物を相手にしたからだろうか。
力を入れて殴り、蹴り、斬り伏せたからだろうか。
それも、少し。
「…何処だ…」
自分が相手にした、意思を持つロボットが、灰と化す前に話した事。
「…何処にいるんだよ…」
この世界にいるのは、自分だけではない。
自分の友人も、いる。
つまり、今自分の友人はこの世界の何処かにいて、自分と同じ目にあっているということ。
この痛みと恐怖を、味わっているということ。
「…お願いだから…!」
ならばどうか、無事でいて欲しい。
傷一つない、いつものままでいてほしい。
「…だりー!!何処だー!!!」
彼女の名は、木村夏樹。
李衣菜が羨望の眼差しを向ける、楽器を得意としたアイドルである。
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