過去ログ - 鷺沢文香「燃える彼女がくれるもの」
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13: ◆i/Ay6sgovU[saga]
2017/01/12(木) 21:21:53.99 ID:xxHx5Jku0

彼女のステップはとにかく速く、豪快で、そのセンスを感じずにはいられないものだった。
トレーナーさんも、時折"走ってますよ"という声はかけるが、おおむね満足気だ。

そこから、簡単な手の振りや、様々なステップを組み合わせたレッスンが始まった。
茜にとってはどれも初めての動きであったはずなのだが、いつの間にやらモノにしている。自分はやったことのある動きばかりなのに、茜より遅いことすらあった気もする。

――対抗心。などということでは一切無いのだが、どうやら自然といつもより力が入っていたらしい。休憩時間を迎えた瞬間、床にへたり込んでしまった。

「鷺沢さん!! 大丈夫ですか!?」

茜が駆け寄ってくる。それはそれは心配そうな顔で。

「はい……、少し休憩すれば……」

そう言って、部屋の端に移動し、水分を補給する。茜は、しばらく不安そうな目を向けていたが、その後、ステップの復習を始めた。
見れば見るほど圧倒される動きだ。まだまだ荒削りではあるものの、それが茜には似合っている。

それが自分はどうだ。物事には得手不得手があることなど重々承知ではあるのだが、やはり情けない。




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