35:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 00:58:58.75 ID:b4qt7MSMo
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ちゅんちゅん……
綾乃「…………」もぞ
気づけば、いつものベッドの中。
うつろな目で時計を見る。また今日もセットした目覚ましの時間より早く起きてしまった。けれど寝不足感はなくて、むしろいつもよりすっきりしている。
綾乃(歳納……京子……)
目を閉じて小さく呼吸をする。目蓋の裏には夢の中の景色が……観覧車のゴンドラの中、私を抱きしめてくれた歳納京子のあの顔が、まだ少し残っていた。
綾乃(だめ……消えないで……)
自分の体温であたたまった毛布をぎゅっと抱きしめる。
――行かないで。離れないで。ずっとそばで……私の目の前にいて。
私を見て。名前を呼んで。私を強く抱きしめて。
綾乃(なんで……)きゅっ
なんでこんなに……あなたのことが、大好きなのかしら。
毛布の塊を抱き寄せて、もぞもぞと顔をうずめた。
あなたのことを思い浮かべるたび、
あなたのことが大好きになって。
あなたのことを好きだと思うたび、
あなたを遠くに感じて切なくなってしまう。
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