49:名無しNIPPER[sage saga]
2017/01/20(金) 01:10:00.32 ID:b4qt7MSMo
綾乃「…………」もくもく
京子「…………」かりかり
丸テーブルを部屋に持ってきて、ふたりで向かい合わせになって作業する。
歳納京子が言うには、今日一日頑張れば全部完成させられるかもしれないとのことだった。
スープでよごれちゃった原稿を見ながら、同じものを描いていく歳納京子。
あのときこぼしちゃったことを思い出して小さくため息をつくと、「これよりもっと良いものを、一緒に作ればいいんだよ」と言ってくれた。
漫画制作のお手伝いなんて初めてで、また失敗をやらかさないと心配だったけど……歳納京子が傍にいてくれるだけで、頑張れる力が湧いてきた。
京子「ん?」
綾乃「……なに?」
京子「これ……」かさっ
歳納京子はふと私の筆箱に手を伸ばすと、そこから一枚のメモ用紙を取り出した。
昨日私が授業中に送って、歳納京子から返してもらった回し手紙だ。
裏面には、書いたけど結局送れなかった歳納京子への返事が書いてある。
京子「ふふっ……♪」
綾乃「なあっ、わ、笑わないでよ!///」
京子「いやいや〜……授業中に手紙回しちゃうし、授業もさぼっちゃうし、果ては無断外泊の生徒を泊めちゃうんだから、綾乃もここ最近で変わったなーって」
綾乃「仕方ないじゃない……それに、全部あなたが関わってることよっ」
京子「そうなんだけどさー」
確かに、昨日今日と……私は今までにない波乱に次々と巻き込まれている気がする。
体操着を忘れちゃったときは心苦しかったし、ボールがぶつかったくらいで気絶しちゃうし、スープも盛大にぶちまけちゃったけど。
でも……それを全部ひっくり返すくらいの幸せなことも、次々に起こってくれている。
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