188:名無しNIPPER[saga]
2017/01/26(木) 22:03:18.20 ID:GAp3y7O8o
駆け込んだトイレの中、
ヤヨイは洗面所の流し台に手を付いて鏡を見つめていた。
吐きそうな気分になったのは本当だったはずなのに、
いざ洗面所を前にしてみれば、空咳しか出てこない。
気分の悪さは、あの場所から立ち去る言い訳を欲しがっていた自分に、
無意識に体が反応しただけのことだったのだ。
どうしてそんなことが……。
自問するも、答えは既にわかっていた。
自分はミキに嫉妬して、不甲斐なさにいたたまれなくなって逃げ出したのだ。
一ヶ月訓練してもベロチョロを乗りこなせない自分と、
アミたちのように、今日初めて乗り込んだばかりにもかかわらず
巨大ロボを乗りこなしたミキ。
防衛軍に――アミたちにとってどちらが必要とされるのかは明白だ。
居場所が奪われてしまった。
ヤヨイは、そう感じてしまったのだ。
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