280:名無しNIPPER[saga]
2017/01/31(火) 21:47:05.16 ID:YrOpoD8To
そう言って不敵に笑うヤヨイであったが
その横顔を見ながらマコトは、数ヶ月前の彼女の表情を重ねた。
キサラギのパイロット、アミとマミを裏切った直後のヤヨイの様子には、
明らかにそれまで覚えたことのない違和感があった。
ヤヨイ自身もそのことは自覚しているはずだ。
それを思えば、好戦的なヤヨイの言葉も、字義通りには聞こえない。
そしてこのマコトの洞察は――見事、ヤヨイの内面を捉えていた。
あの双子と別れてから自分の心にしつこくへばり付く訳の分からない気持ち悪さを、
ヤヨイは少しでも早く削り落としてしまいたかった。
地球などという辺境の惑星に居た時の持ち物は全て廃棄した。
下らない記憶を想起させる邪魔な異物はもう一つとして残っていない。
頭の中に残ったものも徐々に薄れつつある。
あとはキサラギを打ち倒すことでおしまい。
アミとマミを始末して関係を完全に断ち切ることで、きっと何もかも元通りになる。
闇の天使としての自分を取り戻すことができる……。
ヤヨイはそう信じ、一刻も早い出撃を願うのだった。
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