322:名無しNIPPER[saga]
2017/02/04(土) 02:05:47.46 ID:4ghH70Iao
ああ、と短く返答したハルシュタインに敬礼を返し、マコトは背を向けて退室する。
すると扉の前で待機していたヤヨイが、待ちかねたというように隣に寄ってきた。
ヤヨイ「団長、やっと私の出番ですか? 出番ですよね?」
マコト「……ああ。もう少し準備が必要だけどね。整い次第出撃してもらおう」
ヤヨイ「はい! イオリ司令が死んじゃったのは残念ですけど、
私、司令の分まで頑張りますから!」
マコト「そうだね、期待しているよ。僕も、ハルシュタイン閣下も」
ハルシュタインの名を聞き俄かに明るくなったヤヨイの表情を一瞥し、
マコトはすぐにまた正面を向いて歩き出す。
ヤヨイにとってはこれから行われる自身の戦闘は、
イオリの弔い合戦などではなく、敬愛するハルシュタインのための戦いなのだ。
そんなヤヨイの心情を思いつつ、マコトは同時に、ハルシュタインの心情を思った。
キサラギのデータというイオリの戦果を認めつつ、
一方で失望したと冷たく言い放つハルシュタインが胸のうちに抱えていたもの。
それはあるいは――
もしそうであるならばイオリの忠誠も報われていたのかもしれない。
そんな願望に近い考えを、マコトは涼やかな表情の裏にしまい込むのであった。
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