388:名無しNIPPER[saga]
2017/02/12(日) 20:04:06.20 ID:NhytkIqso
なぜ、自分は今の攻撃を受け流すことができなかったのか。
タカネにはその理由が分かっていた。
分かっていたからこそ、驚いていた。
ミキはつまり、ドリルの回転と逆方向に、ハンマーに回転を加えていたのだ。
そして逆回転だから、弾かれたのだ。
……言葉にすれば実に単純な理屈である。
しかしそれでもミキがそれをやってのけたという現実は、タカネの理解の範疇の外であった。
あれは、そのような単純な理屈で実現できるものではない。
ドリルの回転速度や、ハンマーとドリルが触れる角度など、
あらゆる要素を完璧に計算しなければ実現し得ないはずだ。
“計算しなければ”?
否、計算などできるはずがない。
つまりこれは、本能、直感……そういった天賦の才によるものに他ならない。
自分は、このミキという少女の才能は認めていた。
ハルシュタインから受け取ったデータから分かっていたことだし、
実際にリッチェーンの動きをこの目で見ても、
確かに紛うことなき天才であると、そう認めていたのだ。
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