過去ログ - 女「また混浴に来たんですか!!」
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109:名無しNIPPER[saga]
2017/02/18(土) 11:12:07.10 ID:FjDEx+7n0
男「マナーの問題ですよ!!」

親父「だから言ってるだろ。垢を落とすのと何が違うってんだ」

男「全然違いますって!」

湯船に浸かりながら、俺は珍しく親父さんと長々口論をしていた。

親父さんは、身体を洗っている時に小便をしょっちゅうしていた。

俺はそれがたまらなく嫌だった。

親父さんは温泉という場所を、神聖な空間だとよく言っていた。

激しい刺青を入れているにも関わらず、刺青禁止の銭湯に堂々と入るし、騒いでいる学生がいたら脅して退出させていた。一滴も見ずを浴びないまま追い出された者もいる(たいがいそういう連中が腹いせに通報する)。

筋を通すなら、出来る限りのマナーは守って貰いたかった。

社会に対して不平不満を言いながらその社会の癌になっているような義父と重なった。

従順であることを愛情表現にしていた俺が、珍しく反発する時であった。

男「マナーを守れない人間は、どうしてその場にいちゃいけないのか考えたことがあるか」

男「周りの人に迷惑をかけるからでしょう」

親父「周りの人に迷惑をかけてきた人間が、その場にいてもいいと思うか?」

男「すいません、どういう意味ですか」

親父「温泉でも、遊園地でも、映画館でもどこでもいい。普段は大人しいガキのくせに、そういうところに行って舞い上がってはしゃいだり道端にゴミを捨てたりするような人間と、普段は物凄い悪さをしているのにそういう場所に行くときはマナーを守る人間」

親父「どっちがそこにいるにふさわしいと思う?」

男「その場所でマナーを守る人間でしょう。その場所で正しいかどうかだけですよ。親父さんは、裏でも悪さをしているし、マナーも守れていません」

言い過ぎたと思った。

"お前も裏では悪さをしているのに温泉に入っているのだから、お互い様だろう"

こういう話に持っていきたかったに違いない。

長く湯に浸かってのぼせすぎていた。俺は正反対の主張をしてしまった。

自分を悪い人間だと思っている人が、自慢げに自分の悪さを自慢をしていたとして。

格下の人間がその人を悪い人間だと言ってはいけない。

お代官様と越後屋のように、上下関係の区別がはっきりついていて、お互いが同じことをしているような、絶妙なバランスが取れていない限り。

自分を馬鹿だと笑いながら言ってる人への、自分をブスだと笑いながら言ってる人への、タブーの言葉が馬鹿とブスであるように。

悪人に対して、悪人だと言ってはいけなかったのだ。

親父「……居場所をつくってくれた恩人に、悪者だってか」

周囲に他の客がいてもがいても同じことをされていただろう。

頭を掴まれ水の中に突っ込まされた。

息を吸う間もなかった。

ごぼごぼとあぶくがたつ水中からでさえ、頭上で親が怒鳴っているのが伝わってきた。


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