過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
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◆zsQdVcObeg
[saga]
2017/02/03(金) 20:18:38.84 ID:Nr4cjnOQ0
放課後、最後まで教室に残っていたのは、未来人と私だった。
私は少し迷ってから、教卓に座る未来人に質問を投げた。
「ねぇ、ウワサの化け物って」
私は自然にアレのことを「化け物」と呼んでいることに少し驚いたけど、そのまま続けた。
「何か知ってる?」
未来人は私の方は見ずに、空を眺めたまま、「はぁ、まぁ」ゆっくりと頷いた。
少し間をおいて、彼女は教卓から飛び降りた。音がしなかった気がする。
「たぶんね、私を連れ戻そうとしてるんだよ。あのミュータ……化け物は。見た目も、がんばって人間っぽくしてるみたいだし」
ミュータントより、化け物の方がしっくりときたらしい。私は少し嬉しかった。
「でも、私は帰る気はないし」
「なら、どうするの?」
「やっつける」
未来人はそう言うと、くるりと体を廊下側に向け、そのまま歩き出した。
「私も、何か手伝える?」
松葉杖をついて椅子から立ち上がると、彼女はゆっくりと振り返りながら、
「変わってるね」
と私の目を見た。
「そうでもないよ」
「ふぅん」
彼女はそのまま歩き出した。
私は慣れない松葉杖で階段まで向かって、どうやって降りよう、と考えていると、階段のところに未来人がいた。
降りるのを手伝ってくれた。
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