過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
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2: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/03(金) 19:55:26.59 ID:Nr4cjnOQ0

「わたしは未来から来た」

 自称未来人の彼女は、私によくそう話していた。

 なんでも、数百年後の未来から、何か使命があってやってきたらしい。なんの使命があるのかは教えてくれない。

 でも普通に両親はいるようだった。

 この未来から来たという設定(?)は、小学生の頃だとふわふわとしていて、聞くたびに変わっていたような気もするけど、中学生になったあたりから、彼女の中で設定が固まるようになる。
 未来の道具や、今はまだ使われていない言語なんかについても聞いたことがあった。

 一度だけ、未来の言葉を聞かせてもらったことがあったけど、私には残念ながら聞き取れなかった。
 未来人ともなると、耳や舌の構造は変わってくるらしい。
 何度か舌を見せてもらったことがあるけど、特別変わったところは見受けられなかった。

 ただ、あっかんべをしても綺麗な顔だったことはよく覚えている。

 ……話を戻す。

 当時小学生だった私たちは、そんな話ばかりしていたせいか、周りに人が多い方ではなかった。
 少なくとも、私はそう思っている。

 未来人は、話を続けたくないと思うと、すぐに「ふぅん」と言って空を見る。
 私が転校してくる前から、彼女と根気よく話そうとする人は多くはなかったようだった。


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