過去ログ - 未来人「少し先の未来で、待ってるから」
1- 20
1: ◆zsQdVcObeg[saga]
2017/02/03(金) 19:52:46.65 ID:Nr4cjnOQ0
 未来人と出会ったのは、転校した次の日だった。

 小6で転校なんてして、修学旅行が不安だな、馴染めるかな、と可愛げのある悩みを抱えながら教室のドアを開けた私の目に、
 教卓の上に体育座りをしていた女の子が映った。

 深く透き通った青の香り。

「初めて見る顔だ」

 彼女は整った顔だけをこちらに向けて、独り言のように言った。

 長い髪がさらりと揺れる。青く見えてしまうほどに深く黒い髪。綺麗だった。

「転校してきた」

「ふぅん」

 わたしが昨日教えられたばかりの自分の席に着くと、彼女はぶらんと、細くて白い両足を教卓からぶら下げた。

「宇宙人っていると思う?」

 透き通った声だった。

「いないと思う」

 そう答えると、彼女は可愛げのない顔でそっぽを向いた。

「なら、未来人は?」

「それは、いると思う」

「ふぅん」

 そっぽを向いたまま、彼女はどうでもよさそうに喉を鳴らした。

 面白い子だな、と思った。


SSWiki : ss.vip2ch.com



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
55Res/58.49 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice