過去ログ - 世にも奇妙な346プロ
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139:名無しNIPPER[saga]
2017/02/10(金) 17:14:02.85 ID:kE3bTgvP0
「……ロッカーのどこに?」
「靴の、中です……」
「……いつから?」
「先々週くらい、から……」

まさか。目の前の事実を受け入れるのに時間がかかった。
いやしかしそんな。そんな事をする奴がアイドルの中に?
なぜこんな事を?どうして?どうやって?
考えたくはなかったが、そのような考えは嫌でも浮かんでしまった。

「誰かに相談した?」
「……」

市原は無言で首を振るばかりだった。
やがて目を真っ赤にして、静かに涙を流し始めた。
しゃくりあげる声が泣き声になるのにそう時間は要さなかった。
人が来たらこりゃ色々とまずいなと思ったが、彼女の今の心情を思うととてもそうは言ってられなかった。

「よく相談してくれたね。辛かったろう」
「……うっ、うぅ、ひっく……」

落ち着くのを待って、帰宅が遅れる旨を市原の母親に連絡しようとした。
ギョッとした市原に
「い、今言ったこと!ぜっっっってーに言わねーでくだせー!!」
と叫ばれて、その剣幕に少し驚いた。

しばらく話して、母親から「仁奈に変わっていただけますか?」と言われ
電話を市原に渡してからの市原の変わりようにもまた驚かされた。
さっきまで泣いてたとは思えないほど明るい声で、母親と通話する姿。
電話を切るとまた、さっきのような表情に戻る。
……母親には絶対に知られたくないのだろう。

「今日は、ありがとうごぜーました」
そう言って帰ろうとする市原に「暗いから送ってこうか」と俺。
数瞬置いて市原は「……だいじょーぶですよ」と返すだけだった。
いつもなら「プロデューサーと一緒に帰ったら夜が明けちめーます」なんて返してくるのに。

千川さんに付き添いをお願いして、市原を帰した。


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