過去ログ - 2月の昼下がりに橘ありすと話すことについて
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◆K5gei8GTyk
[saga]
2017/02/07(火) 19:42:26.24 ID:0cqd1nr10
「橘です」
こちらに目もくれず、短い言葉だけが返ってくる。
彼女はあまり親しくない人間に名前を呼ばれるのを好まない。
そんな時は、いつもさっきのように返す。まるでそれが決まりごとであるかのように。
しかし、だからといって、僕と彼女が親しくないという事実はない。
これでも、彼女なりにふざけているのだ。
「じゃあ、橘」
「ありすです」
二人の間にお決まりの応酬を終えると、僕と彼女は二人して小さく笑う。
僕と彼女の間柄は、しばしばドライなものとして捉えられがちだけれど、そうでもないと思う。
窓から射す陽光は温かく、時間の流れも緩やかだった。寝不足の身体でさえ、いつものように調子が良かった。
肩の関節を交互に回しながら、僕は再び自分のデスクについた。
2月の昼下がりに、僕と彼女は話をする。
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