過去ログ - 武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」
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3: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2017/02/11(土) 16:50:28.43 ID:u9Op5e3S0
「それで? 今でも連絡取ってるの? 大学の同窓会で顔を合わせたりしてないよね?」


私が彼女と会うことに何ら問題は無いはずですが……渋谷さんと話しているとなぜか悪いことのように思えてきました。


「最後に会ったのは一昨年のことで、旦那さんと幸せそうにしておられました」

「……そっか。幸せそうでで何よりだね」

「ええ」

「じゃあプロデューサーはその人と別れてから誰とも付き合ってないんだよね?」

「まあ……そうなってしまいますね」

「別にいいと思うよ。次々と女の子をとっかえひっかえするよりずっと」


ようやく渋谷さんの調子がいつもに、いえどちらかというといつも以上に良くなってくれました。
しかし機嫌の良い渋谷さんを見ていると、どうしてもまた一年前のことを思い出してしまいます。

そうでした。
彼女は最初、私に交際経験があると知った時はなぜか硬直し顔が青ざめ、しかし別れてからはずっとフリーということがわかると今の渋谷さんのように上機嫌に――


「ねえ」


その言の葉はまるで氷の刃のように私の背筋を貫き――


「今、誰のこと考えてたの?」


――寒さに怯えた心臓が熱を送ろうとがむしゃらに走る。


……胸に手を当てずとも自分の心拍数が上がったことがわかってしまいます。
年頃の少女というのは本当に難しい。
逆鱗に触れた後でも、何が逆鱗であったのかわからないのですから。


「実は……前にも今のように車で二人の時に、同じ質問をされたことがあります。そして彼女の反応が渋谷さんに似ていたもので、つい」

「ふーん」


別に思い出しただけですが、快不快は人それぞれ。
話してまずい内容でも無かったので正直に伝えてみると。


「楓さん……ううん、美嘉か」


あっさりと言い当てられハンドルを握る手が強張り、車体がぶれてしまう。
みっともなく動揺する自分の心が現れたようでますます恥ずかしくなる。


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