過去ログ - 武内P「女性は誰もがこわ……強いですから」
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5: ◆SbXzuGhlwpak[sage]
2017/02/11(土) 16:53:37.54 ID:u9Op5e3S0
A中庭でプロデューサーさんが思いつめた顔をしていて……




缶コーヒーが手のひらを暖める感触が心地いい。
缶コーヒーから少しずつ熱が奪われていくのが名残惜しい。

中庭のベンチに腰掛け、落ち葉が木枯らしに翻弄される姿をぼんやりと眺める。

多少余裕はあるものの、今日中に終えなければいけない仕事はまだまだあります。
ですがどうしても昨日の渋谷さんとの会話が脳裏をよぎり、それを整理しようと空調の効いた部屋を抜け出してきたものの考えがなかなかまとまりません。


「ちょっと。ボーッとしちゃってどうしたの?」


後ろから声と共に両肩に手が置かれます。
振り返り見上げると、そこには勝ち気な笑みをした城ヶ崎さんの姿がありました。

彼女にはこの笑みが似合う。

自分に絶対的な自信があり、しかし慢心せず。日々精進するだけでは飽き足らず周りにも目を配り、仲間と共に駆け上がる。
集団の中心であることを天から約束されたかのような笑み。
たとえ挫折してもそれすらも糧にして立ち上がり、最後には必ず勝利が約束されている。


「だーかーら、どうしたって訊いてるでしょコラ★」


見惚れていると体を前後にゆさぶられてしまい、半分ほどになっていた缶コーヒーを念のため横に置きます。
ふと、昨日の渋谷さんの言葉を思い出します。
私などと城ヶ崎さんが付き合っているのではないかと勘繰っている人が、何人かいると。

思えば城ヶ崎さんが異性と気軽にお話する姿はよく見受けられますが、今のように体に触れてじゃれ合う姿を見たことは一度もありません。
私、以外には――


「で、何をまた一人で思い悩んでいたの? アタシが見たところCPの娘たちは皆元気そうだけど」


隣に腰掛け、顔を間近にもってこられて年甲斐もなく焦ってしまいます。
目線をそらしつつ、まさか今考えていたことを言うわけにもいかず、咄嗟に別の――しかし考え事の一つであったことを述べることとしました。


「実は、城ヶ崎さんの担当をしていた頃のことを思い返していました」

「ふぇっ!? アタシの!?」

「はい……車の中での貴女の問いかけについてです」

「車の中って……あっ。そ、そんなことしみじみと思い返してんじゃないわよっ」





城ヶ崎美嘉
imcgdb.info


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