過去ログ - 善子「堕天使バレンタイン」
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6:名無しNIPPER
2017/02/15(水) 00:19:05.67 ID:45HTUkfp0

──踏み出そうとした足が、止まる。

前を見据えて歩き出そうとしたところに、彼女の顔が見えた。
見たことのない笑顔だった。

隣にいるのは曜さん。リリーはどうしたのだろう、教室に忘れ物でもしたのだろうか。

その笑顔を見て、既に飲み込めていたと思い込んでいたものが、逆流してきた。

私は、曜さんに敵わない。

ずっと近くにいたそうだ。
所謂幼馴染みというやつで、お互いのことなら何でも知っている風な雰囲気を醸し出している。
そして、なにより、千歌さんは曜さんの隣にいる時が、一番いい笑顔を見せる。

充分に理解していた、はずだった。

なのに。

気がつけば私は、外に向かって走り出していた。
逃げ出していた。


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