過去ログ - モバP「理想のアイドルが欲しい」
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4:名無しNIPPER[saga]
2017/02/17(金) 22:47:18.88 ID:gv0pEbdy0
私のプロデューサーは変わった。





異動になったわけではない。私たちのプロデューサーは相変わらず気の抜けたエリマキトカゲのような顔をしている。


ただ、前より目が輝いて見える。それは、彼の仕事ぶりががらっと変わったことに起因しているのかは、私には正確には分からない。


そう、まず彼の変化を感じ取ったのは仕事している姿を見てからだ。以前の彼は目の前の仕事に忙殺され、私たちアイドルの元へ来てくれることが少なかった。


来た時も、交わされるのは事務的な会話がほとんどで、私や他のアイドルとのスキンシップを極力取らないようにしていた。


話しかけても、彼は逃げるように帰宅してしまうのが普通になっていた。


それどころか、他のみんなは気づいているかは不明だが、じっとりと彼から睨まれていたこともあり、その視線は、まるで私たちを恨んでいるようだった。


そんな、一言でいえば暗かった彼が、


「美波、おはよう!」


と、笑いながらこちらに手を振ったのだ。挨拶はしていたものの、彼の目を真正面から見たのは久しぶりだった。


……それから私はプロデューサーと関わるたびに、以前からは考えられないアグレッシブな彼に驚かされた。


レッスンの進行具合を聞かれた。新しい衣装のアイデアを一緒に考えた。アーニャちゃんから簡単なロシア語を教わっていた。


いや、違う。最初出会った時のプロデューサーに戻ったのだ、と私は思い当たった。


暗くなってしまった彼に慣れてしまっていただけだった。


それも少し違う。


忙しいことを理由に、私がプロデューサーの変化から目を背けてしまっていただけだ。


原因は分かっている。私たちの人気が伸び悩んでいることだ。


プロデューサーは、どんな気持ちで立ち直ったのだろうか。彼が一人で立ち直った中で、私になにか出来ないか。


またプロデューサーが苦しんでしまわないように、私も変わらないといけない。



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