過去ログ - モバP「理想のアイドルが欲しい」
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6:名無しNIPPER[saga]
2017/02/17(金) 22:55:35.15 ID:gv0pEbdy0

控室には、まだ先ほどの二人が残っていた。


まだ少しはいてもいいらしいので、五つあるパイプ椅子の内の一つに腰かけ、置いてあった緑茶を啜る。


プロデューサーさんが用意してくれたんだろうか、まだ湯気がほのかに残っていて温かかった。


机の上のお菓子を一つ貰おうとしたとき、私は微かな違和感を覚えた。


それが何を意味するのか、私たちに関係があるのか。そんな希薄なものだったからこそ、私は深く考えず二人に聞いた。


「ねぇ、なんで紙コップが五つ出てるのかな」


紙コップは、机の真ん中のポットの横に重ねて置いてあるほか、李衣菜ちゃん、智絵里ちゃんの前にそれぞれ一つ、私が一つ、あと二つの空席の前に二つ。


その全てに、薄緑色の液体が注がれていた。少し気を付けて見れば、画一的なパイプ椅子も、余分な一つがぽつんと不自然に居座っていた。


「もしかして、スタッフさんとか偉い人が来た?」


これは、私の中で最もあり得る可能性だった。


女性アイドルの控室に足を踏み入れることは感心できないが、そういうことが好きな人というのは存在するし、笑顔でパイプ椅子を用意するプロデューサーも頭に浮かぶ。


しかし、二人は首を横に振った。


「そのお茶は、プロデューサーさんが用意してました……」


それを聞いて、私の疑問はさらに深まる。


「椅子もガタガタ用意してたから、まだ誰か来るのかなって思ってたんだけど、結局来なかったんだー。プロデューサーさん疲れてるのかな?」


李衣菜の楽観的な意見も、否定することは出来ない。むしろ一番現実的な意見でもある。


スケジュールをぶつぶつと確認していた姿を思い出す。少し、私も考えすぎだったかもしれない。


「でも、シンデレラプロジェクトのみんな、ちょっとずつだけど、お仕事増えてきたもんね。私も、明日キャンディアイランドのみんなで収録があるんだ」



「私だって、今度みくと一緒に番組出るよ!……バラエティは、あんまりロックじゃない気はするんだけどなー」



仕事の話をする二人は、前は見られなかったような笑顔を浮かべていて、そんな二人を見ていると心配は杞憂のように思えた。



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