過去ログ - 森久保「私に似ているプロデューサーさん」
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18: ◆8AGm.nRxno[saga]
2017/02/24(金) 09:51:16.49 ID:UKsbEgqz0
こうして俺は森久保のプロデューサーとなった。
森久保の性質を考慮して、俺には事務所が定めるカリキュラムを無視してもいいという特例が認められた。

もちろん反対はしたが、俺はしがない事務員補佐。森久保のように社長の口車に乗せられるまでもなく社長の支配下に位置する人間だ。逆らうことなどできなかった。

アイドルの目を見れない俺にプロデュースは無理だ。社長もそういう評価を俺に下したはずだ。

にもかかわらず彼は俺に森久保のプロデュースをしろと言う。これにはさっき言った彼の思惑が関係している。

社長は俺が彼女を成功させることなどはなから期待していない。十中八九失敗すると踏んでいる。

そして一度でも仕事を失敗させれば、それをネタに森久保を事務所から追い出すことを狙っているのだ。

そして二人のアイドルの未来を閉ざした俺は、晴れて社長の手でクビを言い渡される。

この事務所に来るべきではなかったお荷物と疫病神をまとめて処理できるという訳だ。よくできた作戦だ。

しかもこの作戦にはさらに「もう一段階」ある。だがそれは俺には関係が無いというか、今の俺にはどうでもいいことだった。

俺にとってどうでもよくないことは、森久保の仕事を一つでも失敗させれば俺はクビになるということと、プロデューサーの真似事が果たして今の俺にできるのかということだった。

三年前から全く褪せない彼女の声が、頭の中で耳鳴りのように響いていた。




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