3: ◆2QfXBkV1Yr70[saga]
2017/02/25(土) 15:45:53.36 ID:d5PWy65G0
「あなた、早くここから出ないと『気に入られて』しまうわ」
「気にい……なんて?」
お姉さんは顔をピクリとも動かさずそういった。よく見るとお姉さんは銀髪に染め上げてるし、和服きてるし、なんとも時代錯誤な恰好をしていた。それに、
「おねーさんその……耳なに?」
「これは……生まれつきよ」
お姉さんの頭に……耳が生えていた。それも狐耳。もしかして……
「……コスプレ?」
「違うから」
きっぱりと断ったお姉さんからは若干怒気が含まれていた。
「ああ、ごめんごめん。別に馬鹿にするつもりとかないから」
「だから違うって」
どうやら琴線に触れてしまったらしい。お姉さんには悪いけど早めに退散しよう。
「それじゃ、お姉さんの言う通り帰りましょうかね」
「ええ、たぶん誤解は解けないでしょうけど早めに帰るべきだわ」
お姉さんが憮然とした表情で言い放つ。おおこわ。
これ以上怒らせないように、退散するため立ち上が……ろうとした。
「……あれ?」
「……やっぱり、気に入られてしまったのね」
手や足に力が入らない。むしろ、そのまま横になりたくなるような眠気が襲ってくる。
「なぁに……これ……」
「しょうがないけど、もうあきらめるしかないわ。いったん眠りなさい」
「何を……言って……」
そのままあたしは意識を手放した。
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