4: ◆2QfXBkV1Yr70[saga]
2017/02/25(土) 15:47:28.85 ID:d5PWy65G0
「ん……」
あたしは寝苦しさから身体をひねる。それを数度繰り返したあと、徐々に意識が覚醒してきた。
「んん……あぁ!」
ガバッと身体を起こす。あたしは家出して、変なお姉さんにあって、それで眠たくなって……。
左右を見渡すと、そこは神社の境内ではなかった。寝ていた場所も、苔の生えた石段ではなく木の床だ。どうやら、誰かの家にいるようで、床だけでなく、壁、柱、天井すべてが木で出来ている。まるで平安時代の家屋のようだ。
「お目覚めかしら」
またもや後ろから声がかかり、振り向くと先ほどのお姉さんが立っていた。
「…………」
「私をにらんでも意味はないわ」
お姉さんはそういうと、戸棚から湯呑と急須を取り出した。あいかわらずコスプレをしたままだが、家の雰囲気と和服が妙にあっていた。
「……ここ、お姉さんの家?」
「そうとも言うし、そうでないとも言えるわ」
お姉さんは今時誰も使ってないような囲炉裏に茶釜を掛けた。コスプレのなかでも、本格的な人のようだ。
「だからコスプレじゃないわ」
「いやだってこんな時代錯誤な……え?」
今……あたしは口に出してしゃべっていただろうか。
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