過去ログ - 【ダンガンロンパ】霧切「探偵だけではない青春」3
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◆AZbDPlV/MM
[saga]
2017/02/27(月) 13:37:42.03 ID:/Z5QAp8Q0
仁 「以前とは顔つきが変わったようだね。霧切君」
霧切 「そうかしら?」
仁 「安心したよ」
口元に笑みを浮かばせつつ、真っ直ぐに私の瞳を見据える。
あの時と同じ。この学園に来て、一番最初に訪れたこの場所に、再び立っている。
果たすべく用意していた言葉を留めてしまうという不甲斐ない結果に終わってしまったけれど、それはそのはずで、行動や目的への道自体は進んでいても、私の気持ちがずっと、幼い頃のまま立ち止まっていたからだ。
でも、今はあの時とは違う。これまでしてきた、彼への間違った考えや態度を謝罪しなければならない。
霧切 「私がこの学園に編入したのは、あなたに言いたいことをいうためだった」
霧切 「最初にここを訪れて、あなたと再会したあの時は結局、その言葉を言えずじまいになってしまった…私はあの後、数年間にも渡って巡らせてきたあなたへの怒りや不満をなぜ口に出せなかったのか、苦悩した」
霧切 「ずっと、ずっと、私は、あなたを憎んでいるのだと思っていたから」
いっそ、呪いといってもいいようなものだった。私は自分に呪いをかけていた。
霧切 「けれど、あなたと顔をあわせる度にそれが解らなくなって…保健室で話を聴いて、私は私が恥ずかしくなって、自分の気持ちにいよいよ整理がつけられなくなってからようやく、ひとつひとつ考えを詰め直してみた」
呪いが解かれた後に残された答えはひとつ───
霧切 「私はやっぱりあなたと家族で、あなたの娘」
霧切 「憎んでなんていなかった。要らない存在なのかって、寂しかった。怖かった。忘れたくないだけだった。忘れられたくなかった」
霧切 「探偵なのに、私は自分の気持ちの真実に気づくことができなかった」
霧切 「もう、あなたを恨んだり、疎ましく思うこともない。逆に、これまでの自分が恥ずかしいくらい…」
霧切 「ごめんなさい」
私の謝罪に、彼はゆっくりと首を横にふる。
仁 「謝らなければならないのは私の方だ」
仁 「君の気持ちを考えることもせず、君を置いて、あの人と霧切から離れることを選んでしまったのだから」
仁 「あの頃の私は、それしかないと思っていた」
仁 「これまで君に寂しい思いをさせて、すまなかった」
霧切 「っ!」
今までにないくらい、優しさに溢れた声色に眼差し。それは“娘”に向ける暖かなもので……ずっと忘れていたものが、私の中に流れ込んでくる。
仁 「もしゆるされるのなら、今までの空いてしまった君との時間や理解を埋めていきたい」
仁 「君に父親らしいことをしてやりたいし、話し合いたい」
仁 「やり直させてもらえないだろうか?」
曇りのない真摯な姿勢。これまでの私なら、歪んだ捉え方をしていたでしょう。それもない今、見たもの素直にそれを受け取れた。
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