46: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/12(日) 23:21:44.26 ID:ghPUNg9v0
「僕、何かの本で、自分に足りないものを持ってる人が惹かれ合うんだって書いてたの思い出した」
つけていたテレビをぼんやりと眺めて、彼は言った。
「皮肉な話」
私と彼、外装と内装を入れ替えれば今よりは良くなるんじゃなかろうか。
結局、自分の選べる色と選びたい色は違うのだ。それを、認めてしまえってこと。
「でも、僕、君といればもっと近づけるような気がするんだ。求めてるものに」
近づくまで、ずっと追いかけていなきゃならない。
やっと一番欲しい色にたどり着いても、もしかしたらまた違う色を要求されるかもしれない。
「それは、私の彼氏になりたいってこと?」
「……ダメ?」
上目遣い。
彼は、女の子。
男の子と言い張る、女の子。
あまりも不釣り合いなその欲求を、誰が許してくれると言うんだろうか。
この先、誰が――。
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