29: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/08(水) 00:13:33.08 ID:o/YJ8tUI0
>>28
鍋の火は止まっていました
30: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/08(水) 00:21:17.79 ID:o/YJ8tUI0
帰る頃にはびしょ濡れになっているのだろう。
となると、必然お風呂に入らなければならない。
すると、私も一緒に入れるかもしれない。
いやいや、それはない。
ないわー。
31: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/08(水) 00:25:10.31 ID:o/YJ8tUI0
畳み終わって、二品目が完成したくらいに、彼は案の定濡れネズミとなって帰って来た。
可愛い。
「うひゃああっ……ミラアァ」
32: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/08(水) 00:35:36.03 ID:o/YJ8tUI0
「はっ、はい、おしまい」
「ぷはっ」
ヨシツキの頭にぐるぐるとタオルを巻きつける。
33: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/08(水) 01:02:43.04 ID:o/YJ8tUI0
「しないの……?」
床に向かって、か細く彼は聞いた。
「少なくとも、私は君が言った言葉に同意はしない」
34: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/08(水) 01:03:09.31 ID:o/YJ8tUI0
今日はここまで
35: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/08(水) 21:44:53.21 ID:EcCOZv0t0
思いがけないその一言で、持っていたタネを握りつぶしてしまい、ミンチ肉がシンクにべちゃっとくっついた。
「はあ?!」
大声を出すと、ヨシツキの肩がびくりと跳ね上がった。
36: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/08(水) 23:17:40.07 ID:EcCOZv0t0
「おそ、襲わないで……」
「し、しないから」
同性だと分かったのに、欲情するわけない。
37: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/08(水) 23:41:52.33 ID:EcCOZv0t0
暫くして、お互いに夕飯の支度のことを思い出した。
もちろん先程のことをなかったかのように装える程、大人でもない。
二人黙って、リビングで食事を取った。
このままずっと沈黙が続くかと思われた。
38: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/08(水) 23:45:33.42 ID:EcCOZv0t0
眠すぎるので、ここまで
39: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/10(金) 22:24:50.96 ID:zZQmUfUl0
一口口に含んだ途端、彼は満面の笑みでそう言ってくれた。
ずるい。
しばらく、彼の感想を聞いていたおかげか、多少気持ちに余裕が生まれた。
そして、この際なので地雷のような質問を口にする。
40: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/10(金) 23:19:02.00 ID:zZQmUfUl0
肩を落としたように見えた。
「どうして、男にこだわる?」
「こだわってるというか、まず、前提として……さっきも言ったけど、僕は男として生まれたんだ。それは、もう、ありのまま受け入れて欲しい」
41: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/10(金) 23:52:07.73 ID:zZQmUfUl0
「逆説的な理由だね」
「うん……っていうのも、小さい頃に何度か両親に女の子らしく振舞うよう強要されたことがあってね、数か月くらい経った頃から……僕、どんどん変な行動をとる様になったらしいんだ。頭を壁に打ち付けたり、夜中に家中を歩き回ったり。最初は悪霊でも出たのかって話しだったんだけど、ついに母さんを殴ったんだ。その時の記憶は覚えてる。怖いくらいに。どうしてか、このままだと、僕は死んでしまうって思ってしまったのかもしれないね。身体じゃなくて、心がボロボロになっちゃうって。心が死んだら、もう楽しくないよね」
私は率直に、ヨシツキは女の子として生きた方がもっと幸せな人生が待ってるんじゃないかと思った。
42: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/10(金) 23:54:25.80 ID:zZQmUfUl0
眠ります。
また明日の夜に
43: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/12(日) 22:14:44.70 ID:ghPUNg9v0
「ヨシツキは男になるまで、この部屋を出ないつもり?」
「そんなことはないよ」
嫌な質問ばかりしてしまう。
44: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/12(日) 22:21:19.54 ID:ghPUNg9v0
やっぱり。
そうだ。
うん。
「あのさ、致命的にヨシツキが男っぽくない所があるんだけど」
45: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/12(日) 23:02:31.17 ID:ghPUNg9v0
「そ、それって必要かなあ?」
「いるでしょ。バカか君は」
「そこまで言う?」
46: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/12(日) 23:21:44.26 ID:ghPUNg9v0
「僕、何かの本で、自分に足りないものを持ってる人が惹かれ合うんだって書いてたの思い出した」
つけていたテレビをぼんやりと眺めて、彼は言った。
「皮肉な話」
47: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/12(日) 23:39:42.07 ID:ghPUNg9v0
誰もいない。
先生だって、彼を彼として受け入れることが難しい立場だ。
あの、クラス一女の子らしいカザリと双肩を並べれる容姿だし。
私の母に知られたら、ばっさりと切り捨てようとするだろう。
誰もいない。
48: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/12(日) 23:40:50.31 ID:ghPUNg9v0
毛色違うのに読んでくれた方、ありがとう。
49:名無しNIPPER
2017/03/13(月) 05:42:40.68 ID:58nwr9lw0
続けろ〜続けろ〜
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