過去ログ - 三船美優「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」
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6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:21:09.32 ID:Yk9lZ5Aq0


「あ、あの……もしかして、私遅刻してしまいましたか……?」

 車内の沈黙に耐えかねて質問してみました。昨日のうちに聞かされていた時間通りではあったのですが、本来なら事務所で軽く打ち合わせをするはずの予定が、移動中の車内で行うことに変更になったんです。
以下略



7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:21:48.86 ID:Yk9lZ5Aq0
「以前、お約束したはずです。いつどこに誰の目があるかわからない世の中です。注意してください」

「はい……」

 私とプロデューサーさんの関係が始まった夜に約束をしたんです。名前で呼ぶのはプライベートの時だけ、仕事にプライベートは持ち込まないって。
以下略



8:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:22:25.98 ID:Yk9lZ5Aq0


「ふぅ……」

「お疲れ様でした」
以下略



9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:22:59.33 ID:Yk9lZ5Aq0
「わかりました。では、シートベルトをお願いします」

「はい」

 朝と同じように沈黙に包まれる車内。朝と違うのは沈黙を破ったのがプロデューサーさんの方でした。
以下略



10:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:24:18.48 ID:Yk9lZ5Aq0


「お疲れ様です……?」

 ある日の事です。その日はオフだったので数日前にPさんと会えた事を思い出しながら溜めていた家事をしていた時でした。
以下略



11:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:25:10.10 ID:Yk9lZ5Aq0
「『人気アイドル三船美優。熱愛発覚か!?』だそうです」

 ちひろさんが淡々とした声で記事の煽り文を読み上げます。

 私は震えながら俯くことしか出来ませんでした。
以下略



12:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:25:46.18 ID:Yk9lZ5Aq0
 この場にPさんが居るのに私に尋ねてくると言う事は、事務所もまだ私とPさんの関係を知ってはいないのでしょう。

「お相手の方に迷惑がかかります……ですから、お答えできません」

 すでにこうして一緒に居るところを写真に撮られてしまった時点でPさんには迷惑をかけてしまっているのですが、これ以上の迷惑はかけられません……。
以下略



13:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:26:23.96 ID:Yk9lZ5Aq0


「これで……良いかしら」

 手書きの手紙なんて書くのはずいぶんと久しぶりでしたけど、ブログに挙げるわけにも行きませんし、何より確実に私とわかるものじゃなければ意味がありません。
以下略



14:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:27:19.94 ID:Yk9lZ5Aq0
「どこに行くんですか?」

 私がポストから立ち去ろうとすると後ろから声をかけられました。

「……どこでしょうね」
以下略



15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:28:02.73 ID:Yk9lZ5Aq0
 何も言ってくれないPさんに別れを告げ、このままどこへ行こうかと歩を進めた時です。

「貴女と居ると……」

「え……?」
以下略



16:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:28:40.38 ID:Yk9lZ5Aq0


『昨夜未明、男女が折り重なるように死んでいるのが発見されました。死体からは身元を判別する所持品は発見されておらず、警察は身元の特定を急ぐとともに、事件と事故両方の可能性があるとして、当時の状況を詳しく調べています』

『次のニュースです。突如活動中止を発表した人気アイドルの三船美優さんの所属事務所は未だ沈黙を続け――』
以下略



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