過去ログ - 穂乃果「行くよ!リザードン!」
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294:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:02:58.12 ID:ha7ZcpN9o
絵里「やっぱり、オハラへも批判が集まってるのね…」

鞠莉「……メディアへのリークでオハラがマフィアだった過去が発覚、襲撃事件と合わせて株価は大暴落。
世間からは反社会組織同士のいざこざだと見られていて、犠牲者を出した責任の一端はオハラにある……マスコミもネットも、たった一日でそんな世論ができ始めてる」

以下略



295:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:06:19.22 ID:ha7ZcpN9o
長い睫毛を伏せ、俯く鞠莉。

覚悟を決め、経験を積み、生涯を賭して育て上げていくつもりだった企業をテロリストの暴虐に潰されてしまうのだ。
その落胆は深く、心は絶望に渋み…

以下略



296:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:07:01.97 ID:ha7ZcpN9o



果南と鞠莉が入院している病室、その窓から見下すと緑が生い茂る中庭が広がっている。

以下略



297:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:08:17.35 ID:ha7ZcpN9o
むしり、むしりと音。
千歌は目を落とさずに手慣れた仕草で小ぶりなみかんを剥くと、一房ちぎってぽいと口に放り込む。
もぐ、と噛んだところで「……」と沈黙。
顔をしかめ、二房まとめて曜へと差し出す。

以下略



298:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:09:11.52 ID:ha7ZcpN9o
言葉を切る。

二人ともが顔を伏せていて、視線を合わせられずにいる。
自分の非力が、嘘をついていたことが、互いに気まずくて後ろめたくて、心苦しさに顔を見ることができない。

以下略



299:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:09:39.73 ID:ha7ZcpN9o
それは決定的な決別の言葉。
言葉としての意味以上に、表情が、声色が、断固とした別れの決意を曜に悟らせてしまう。
大好きで、愛していて、ずっと千歌だけを見てきたからこそ悟ってしまう。
二人の間柄は壊れてしまったのだと。

以下略



300:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:10:09.55 ID:ha7ZcpN9o
誰だろう…?

顔を上げてみれば、そこにはもう一人の親友、梨子。
その顔には笑みが…梨子が怒っている時の硬質な笑みが張り付いている。

以下略



301:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:11:00.47 ID:ha7ZcpN9o
何を?梨子ちゃんはいきなり何を言い出してるの?
フリーズした千歌におかまいなし、梨子は壁に手を突いたまま、さらに顔を近付けて熱っぽく語る。


梨子「でもね…私、欲張りなの。実は曜ちゃんの事も同じくらい大好き。天才肌のくせに打たれ弱くて、サッパリしてそうなのにうじうじした所があって。
以下略



302:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:11:27.04 ID:ha7ZcpN9o
梨子「幼い頃からずっと一緒にいる親友で、大好きな人なのよね?」

千歌「……大好きだよ。でも、だから一緒にいられない。私のせいで曜ちゃんを危ない目に遭わせちゃったから」

梨子「それは違うよ千歌ちゃん。はっきり自覚できていないなら教えてあげる。
以下略



303:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:11:56.59 ID:ha7ZcpN9o
ずっとずっと、後塵を拝してきた。
周りからの認識は“曜ちゃんの友達”。あるいは“オマケ”。
曜ちゃんは特別だと、とってもすごいんだと、追いついたり越えたりなんて発想をいつからから、自分の心の中にある海、その深く深く底へと沈めてしまっていた。

でも違う、本当は!
以下略



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