355:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:54:51.78 ID:ha7ZcpN9o
穂乃果「おーい!」
そんな花陽へと駆け寄ってくるのは穂乃果だ。
猛ダッシュで元気よく、面前で立ち止まると、軍手で鷲掴みにした何かをジャジャン!と見せつける。
356:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:55:20.61 ID:ha7ZcpN9o
山に入ってからそろそろ三時間、穂乃果たちの位置はまだそれほどハチノタウンから離れていない。
花陽もまた凛と同じく、本格的な山入りは明日の朝からと考えているのだ。
しかし、まさか延々と食材集めをするだけだとは。
落ちているドングリをおもむろに拾い上げ、隣にいるドラミドロへと見せる。
357:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:55:46.49 ID:ha7ZcpN9o
ことりは食材集めに夢中の穂乃果たちから少し離れ、台地の端、切り立った崖になっている場所から下を見下ろす。
数十メートルの下方、そこには白づくめの衣服に袖を通したアライザーが二人。
ことりは道を戻り、穂乃果たちへと声をかける。
358:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:56:15.79 ID:ha7ZcpN9o
━━ドチャリ。
「なんだぁ?」
「変な音が…」
359:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:56:48.00 ID:ha7ZcpN9o
“鳥面”。
その存在が悪党たちの間で囁かれ始めたのは数ヶ月前、ダイイチシティからことりたちが姿を消した少し後から。
綺羅ツバサに負け、イーブイを奪われたことりはドラゴンタイプの力に魅せられた。
360:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:57:39.00 ID:ha7ZcpN9o
アライザーの片割れは、どうやらかなりの実力者らしい。
オノノクスを繰り出して即座、命じた技は“りゅうのまい”。
龍としての本能を呼び覚まして攻撃性と速度を高め、臨戦の眼光がことりとドラミドロを捉えている。
361:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:58:07.18 ID:ha7ZcpN9o
男が怯えてバタつかせた手が、ことりの注射器を弾き飛ばした。
割れるガラス、溢れて地面へと吸い込まれる薬液。
けれどことりは事もなげ、小首を傾げて呟いた。
362:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:58:34.97 ID:ha7ZcpN9o
穂乃果「ところでさ、花陽ちゃん。この山の伝説のポケモンってどんなのが出てくるの?」
ことり「あ、それ、ことりも気になるなぁ」
363:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:59:01.23 ID:ha7ZcpN9o
一般に、伝説と呼ばれるポケモンは人々の前に滅多なことでは姿を見せない。
しかし稀に、各地方で立て続けに伝説の存在が目撃されることがある。
その条件は動乱。
巨大な悪の組織が現れ暴威を見せた地方には、必ず何かしらの伝説のポケモンが姿を見せるのだ。
364:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:59:28.28 ID:ha7ZcpN9o
真姫曰く。
ジョウト地方のエンテイ、ライコウ、スイクン。
ホウエン地方のラティアス、ラティオスなど。
365:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 05:59:55.28 ID:ha7ZcpN9o
ことりの中に友達思いの優しさは残されたままだが、しかしそれと同じくらいに力を求める心も育ってしまっている。
ドラゴンタイプに拘りを持っていることりだが、しかし“伝説”という存在は魅力的だ。
それを保護しようという花陽に同行してこそいるが、その内心は虎視眈々。
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