752:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 16:40:13.53 ID:ha7ZcpN9o
ツバサ「……ねえ、刑事さん。私の過去を知ってる?」
にこ「……知らないけど。調べたって出てこないし」
ツバサ「そうでしょうね。徹底的に消させたもの。そうね、一から語る時間はないけど…」
もう一度、少し考え…
ツバサは口を開く。
ツバサ「子供の身に起こり得る不幸、想像できるだけ想像してみて?」
にこ「不幸…?」
急な言葉に、にこは困惑する。
だが強いて抗う意味もない。不幸、その言葉にイメージを膨らませ…
ツバサ「……想像できた?その全てよ」
にこ「は?」
ツバサ「あなたがイメージできる範囲の不幸、そんなものは全て背負わされてきた」
にこ「………」
ツバサ「この世の掃き溜め、忌むべき醜悪、課せられた苦痛。私は遍く不幸の中を這い上がってきた。
だから、まともな倫理観を期待されても困るの。…答えとしては、そんなところかしら」
にこ「………分かり合えないってことだけは、改めて分かったわ」
瞳を閉じ、ツバサは惜しむ。
自分を追い続けてきた好敵手へ、敵意に結ばれた親友への別れを惜しむ。
ツバサ「じゃあ、私は行くわね」
にこ「……にこは、ここまでみたいね」
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