767:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:02:17.64 ID:ha7ZcpN9o
梨子「ごめんね、キテルグマ…っ、う!?」
回収したところで、梨子は立ち眩みにたたらを踏む。
場所が屋内なのがまずい。バクフーンが生む紅蓮の炎は人の耐えられる限界付近まで気温を高めている。
当然ながら酸素も薄れてきていて、体力に自信のある曜と、基本的にはインドア派の梨子。どちらの体力が先に尽きるかは明白。
梨子(駄、目…っ、頭がクラクラして…)
次のボールに手をかけながら、開閉スイッチを押す指先が定まらず…曜が近付く。
曜「……ねえ、梨子ちゃん…謝ってよ」
梨子「……曜、ちゃん…?」
膝に手をついたまま見上げれば、曜の表情には激しい苦悶が滲んでいる。
いつも朗らかな曜にはまるでらしくなく、眉間に皺を刻み、歯は何かを噛み潰すように食いしばられていて、左手で顔の半分を覆っている。
その柔らかな頬へ、鉤爪のように指を食い込ませている。きっと衝動を抑え込もうとしているのだ。
二人の間、その距離は四歩。
梨子を見下ろし、絞り出すように言葉を紡ぐ。
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