過去ログ - キュウレンジャー育成計画 その1 安価とコンマ
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974:名無しNIPPER
2017/04/10(月) 10:32:25.58 ID:fP2++DcY0
話は逸れましたがプフレの思考の魅力について続きます。

 終盤でかなりわかりやすく示されますが、目標を遂行するにあたっての彼女の考え方はどこまでもオートマチックです。複数本の勝ち筋を用意し、それが一本、また一本と断たれていこうと、最後の一本が切れるまでは(表層的な思考としては)絶対に諦めない。弱音を吐かない。

 なぜくよくよしないかというとくよくよしてもどうにもならないからです。絶望したところで事が良くなるはずも無く。プフレは淡々と最適の場面を作ることに集中し、「もしもこうだったらもう既に詰んでいる」という(きっと勝利の可能性よりも尋常でなく大きい)敗北の仮定は悉く無視して、最善の行動を一つ一つ積み上げていました。
以下略



975:名無しNIPPER
2017/04/10(月) 10:32:58.59 ID:fP2++DcY0

 自分はプフレとシャドウゲールが、「魔法少女になってしまった」存在であることについて考え込むことが結構あったのですが(彼女達ふたりは、スノーホワイトとリップルに相対するかのように「魔法少女」への憧れや希望の描写がほぼ全くといっていいほど存在しないふたりでした。庚江は祖父からの「魔法少女は好きかね?」という問いかけに「それより甘いラブロマンスの方が好み」と返し(冗談めかしてはいますが、これは大変核心に近い会話だと思います)、そしてrestart以前のプフレは魔法少女である自分達の生活について「退屈」なものだと表現しています)QUEENSで徹頭徹尾こういう考え方をしているプフレを見て、彼女は「護が自分に名前を縛られた従者でなかったら」とか、「自分達が魔法少女に選ばれなければ」とか、そういった旨のどうしようもなく苦しくなるような後悔はけしてしなかったんじゃないかな、と思いました。ずっと答えの出ないまま考え続けていたことに、大変自分勝手なものではありますが一つ落ち着くところを見つけられて本当によかった……。


976:名無しNIPPER
2017/04/10(月) 10:33:30.49 ID:fP2++DcY0
プフレは実に機械的に物事を運びます。しかし、目的遂行に影響しない端々で、彼女はこれまでになくはっきりと感情を露わにしていました。それは今までのプフレにはほとんど見られないことで、それほどまでに彼女が追い詰められているというのをはっきりと示していました。

 デリュージの知るプフレは笑うか微笑むかで、状況を問わずどこか楽しそうだったが、今のプフレからは享楽も皮肉も鳴りを潜め、じんわりとした緊張感を全身から滲ませている。膝に置かれた両掌はきつく握り締められ、赤みと白みではっきりと分かれていた。

 特に印象的なのはここですね。ここ、「シャドウゲールの命が危ない」という事実に別段変わりはないのに、なぜ記憶を再取得したプフレが明確に緊張を示しているのか。
以下略



977:名無しNIPPER
2017/04/10(月) 10:34:05.49 ID:fP2++DcY0
ばっかりです。考えているのに、感じているのに、決して読者側に「読ませない」知識や感情が、プフレの中には山ほどある。



 その最たる例は最終盤。プフレの視点に乗って物語を読み、ダークキューティー、プリンセス・デリュージを左右に引き連れ、「ロケットがパーツをパージして飛んでいくように」人を減らしながらなお息もつかせぬような戦いを繰り広げる彼女を追って最終的なプフレとシャドウゲールの相対まで至った読者は――「プフレの視点を読む」ことではなく、「シャドウゲールの視点を通してプフレを読む」ことで初めて、彼女が心の底からプク・プックに怯えていることを知ります。
以下略



978:名無しNIPPER
2017/04/10(月) 10:34:39.92 ID:fP2++DcY0
まで読者にはっきりとは読ませなかった要素、まだあります。それが漏れているのはこの会話。



「お嬢、嘘は吐いていませんよね?」
以下略



979:名無しNIPPER
2017/04/10(月) 10:35:18.19 ID:fP2++DcY0
そして。そして、プフレは賭けに勝ちます。……最終的に「勝った」 とはっきり言い切れる最期ではありませんでしたが、シャドウゲールが生きていること、それは紛れもない勝利です。

 ただそれでも、完璧な勝利とは決して言えません。それはプフレが死んだことでシャドウゲールが非常に危険な立場に置かれてしまうからです。彼女の魔法は強力です。ほぼ単身で「魔法の機械」を弄ってしまえるだけのポテンシャルがある。危険回避に殺される、いいように利用される、そんな可能性は読者が考える限りでもいくらでも想像がつきます。


以下略



980:名無しNIPPER
2017/04/10(月) 10:35:55.18 ID:fP2++DcY0
全てはプフレの一番最適な方法を追っていく、というやり方に信用を置いたうえでの発言ですが。プフレが自分の没後に備えて何かを遺すにあたって、不明確な相手に対する今際のきわの頼み事だけに以後全ての勝ち筋を絞るだろうか、というのは多少疑問が残ります。

 それにしたっても大仕事なのでそんな余裕は無かったと言われればそれまでですが、少なくとも記憶を取り戻してから十キロメートルの距離を行軍する間のプフレは(比較的)自由な立場にあるんじゃないかなと思います。いやああるかなぁ……?

 あるといいな。あってほしい。この話は終わりです。
以下略



981:名無しNIPPER
2017/04/10(月) 10:36:28.52 ID:fP2++DcY0
セリフ。好き、と言い切れるわけではないんですが「この子……護から、私に関する記憶を抜き取ってやってくれないか。彼女はあまり強くないものでね」について。

 このセリフによって生じた出来事についてはシャドウゲールの日(シャドウゲールの日……)に書きますが、うん、「一番護の生き残る可能性が高くなる」ようにするための頼み事としては一番有効なそのお願いはとんでもなく残酷なものです。何が残酷って本当にただただ本人のためだからです。

 人小路庚江の記憶を持っている魚山護は、お嬢が死んだと知ればきっとエピローグでの状態以上にとんでもないことになる。それはわかるんですが、わかってるんですが、あまりにも……。
以下略



982:名無しNIPPER
2017/04/10(月) 10:37:19.58 ID:fP2++DcY0
 本日のまいにち魔法少女です。ナンバーは12、うるるでした。

 うるるー! うるるはとてもかわいいですね! がんばります。


以下略



983:名無しNIPPER
2017/04/10(月) 10:38:02.13 ID:fP2++DcY0
方向には向かいませんでした。一人で部屋に篭り、座り込んでずっと考え続けていました。彼女がミナエルやアカネのような方向に転ばなかったのは、偏にうるるが非常に複雑な立場に置かされていたということがあります。



 姉妹を喪ったことに激昂して仇を探そうとしても、その仇の一人は自分達を守ろうとして戦い抜いてくれたスノーホワイトの友人で。そしてそのスノーホワイトはプク様が囲おうとしており、ではプク様に相談しようとしてもプク様は忙しくてとてもうるるを構ってはいてくれない。
以下略



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