13:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 22:21:13.75 ID:4Rea9gbvo
「今日は泣いてばかりだな」
「いつも、独りで泣くからね」
彼女はパカっと口を開け、微笑した。
14:名無しNIPPER[sage]
2017/03/27(月) 22:21:44.19 ID:7usV35SZO
なんやこれ
なんやかこれ!?
15:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 22:22:18.87 ID:4Rea9gbvo
奏の好きな映画を2本観終わってから、風呂に入った。
順番はプロデューサーが先で、石鹸などと一緒に置いてあるカミソリに、少しだけ影のような心配事が湧いた。
けれど、彼は奏を信じることにした。
「熱いお湯は、やめておいたほうがいいかもな」
16:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 22:23:00.18 ID:4Rea9gbvo
彼の心は奏との出会いにまで遡った。
出会ってすぐ、キスをせがまれた。
年頃の娘さんが……、馬鹿正直に言って聞かせて、奏はきょとんとしていた。
二度、三度と繰り返して、ぷーっと吹き出した彼女に、ようやく彼は気づいた。
17:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 22:23:41.06 ID:4Rea9gbvo
「プロデューサー、上がったよ」
奏の口は、あの日と違う。けれど、プロデューサーには同じのような気もした。
「寝よう」
18:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 22:24:16.60 ID:4Rea9gbvo
「なあ、奏」
「なによ」
「一緒に暮らさないか」
19:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 22:24:47.42 ID:4Rea9gbvo
「どうして」
「カエルだもの。私は醜くなったから」
「綺麗なときだって、そう変わらんぜ」
20:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 22:25:48.62 ID:4Rea9gbvo
彼は彼女を抱き寄せて、湿った口にキスをした。
触れた瞬間から、お互いに目を閉じて、透明な言葉が音もなくすり抜けていくのをじっと聴いていた。
そうして、魔法は解けた。
21:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 22:26:23.77 ID:4Rea9gbvo
「帰る」
「カエル?」
「帰宅します」
22:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 22:27:05.00 ID:4Rea9gbvo
「ねえ、プロデューサー」
「なんだ」
「もう一日、おやすみを貰ってもいい?」
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