過去ログ - 速水奏「カエルの面に××」
1- 20
5:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 22:14:27.42 ID:4Rea9gbvo
「声が出せないのか?」

 頭から被った布団の中の暗闇、奏の目に涙が滲んだ。
 微かな震えに気づいて、プロデューサーは戸惑った。

「どうしたんだよ。急に、辞めるなんて、びっくりするじゃないか。なにか、嫌なことでもあったのか……?」

 すすり泣く声が、布団の塊から漏れた。
 その声は、以前の細く美しい声ではなく、太く、痰の絡まったような泣き声だった。
 プロデューサーはぼんやりと、なにかを察した。

「病院、行ったか」

「行ってないわ」と、ようやく布団の中から返事が返ってきた。
「行けるわけない。こんなんじゃ、外にも出られない」

 すすり泣きは、慟哭に変わった。
 その泣き声は、ワー、オウッ、オウ、……こんなところであろうか。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
30Res/13.31 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice