7:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/01(土) 01:25:30.33 ID:rBrxam3H0
そんな時、杏は過労で倒れてしまった。
ーーいろんな人が心配してくれた。
ーーきらりは仕事をほっぽって病院に来たらしい。
ーーやれやれ、そんなんじゃまたお仕事減らされちゃうかもしれないよ。
ーー私が誰のために頑張ってるかもしらないで。
けれど、そんな杏の内心はつゆ知らず、涙で顔をぐしゃぐしゃにしながら自分に抱きつくきらりを見ると、杏はそんなことは言えなかった。
杏は、しばらくの療養を言い渡された。
ーーまた、きらりに迷惑をかけちゃったな。
女子高生一人が持つにはあまりにも大きい部屋で座り込みながら、杏は物思いにふける。
ーーきらりのために頑張ってたのに、結局倒れて迷惑をかけちゃった。
ーーけれど、今のきらりは順調に波に乗ってきてる。
ーーもうこれ以上、私は何かしないほうが良いんじゃないか。
飴玉を取ろうとする。
ーーだとしたらもう、私にできることは一つしかない。
しかし、袋にはもう飴はなかった。
行き先をなくした右手をポケットに入れ、携帯を無造作に取り出す。
ーーいままでありがとね、きらり
「......もしもし、杏です。うん、そろそろ戻ろうかな、って」
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