過去ログ - イヴ・サンタクロース「寒さ恋しい夜には」
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6:名無しNIPPER[sage]
2017/04/03(月) 01:28:40.06 ID:1AizcjW/0
用は足さずにそのまま汗を少し拭いて、拭いた紙をさっと流した。
用を足さないトイレはなんだかちょっと贅沢だ。と、イヴは思った。
トイレの電灯を消すと家は真っ暗になるのだが、夜目がやたら利く彼女は、暗闇に素早く目を慣れさせた。
そのまま流しで口を濯いで、粘膜の違和感を洗い流し去った。
廊下は暗く、とても狭く、そして冷えた。自室に比べればの話であるが。
彼女はそこで終わってしまった冬を感じようと足掻いてみせた。
それでも「寒く、無いですね」と彼女は言った。完全に真っ暗な空間に、自分の吐息だけ白く浮かび上がればいいのに、とさえ思った。
夜目が利くのが、今回ばかりは少し悲しいと思えた。


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