過去ログ - ウルトラマンオーブ −Episode EX−
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名無しNIPPER
[sage saga]
2017/04/07(金) 19:04:41.18 ID:Rq6PUXgG0
それを聞いたミラールはしばらく無言で歩いた。ガイも声を出さなかった。
二人の影が石畳の上に長く伸びる。八年前も遊んだ帰りにこうして二人で歩いたな、とガイは思い出した。
あの頃に比べて、ミラールの影はずいぶんと長くなった。
ミラール「私がおじいちゃんの跡を継ごうと思ったのはね、夢を叶えるためなんだ」
不意にミラールが口を開いた。
ガイ「夢?」
ミラール「うん。まずね、そっくり同じ時計を二つ作るの。その片方は自分が持っていて、もう一方は誰かに渡す。
そしたらね、二人は同じ時の針で結ばれてることになるの。ロマンチックじゃない?」
ガイ「いい夢だ。掛け値なしに」
ミラール「ありがとう。それでね、ガイ。私は――」
ミラールが言いかけた時だった。ヒュオオオオオオッ!! という乾いた音が風を切り裂いた。
二人の影の間にもう一つの影が稲妻のように駆け走る。
ミラール「!?」
頭上を見上げるミラール。しかし上空を通り過ぎていった「それ」は既に地上に墜落していた。
轟音。石畳が砕け、飛び散った破片が周囲の建物に穴を空ける。迫りくる衝撃波。
ガイ「!」
ガイは咄嗟にミラールを抱きしめて飛んだ。道の脇にあった建物の赤い屋根の上に降り立つ。
ミラール「あ、あれは……?」
ガイ「…………」
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