過去ログ - 佐久間まゆ「たった一つの光、願い込めて」
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7:名無しNIPPER
2017/04/09(日) 16:16:42.61 ID:ltgFqpYMo
 夕日はすっかりと沈んでもう夜の時間。

 プロデューサーさんの車に乗って、私たちは曲がりくねった山道を進んでいる。

 プロデューサーさんの席の後ろでなるべくバックミラーに映らないように、私はプロデューサーさんを見つめている。

 事務所から数十分ほど車を走らせるとそこはもう山道だった。

 道端には草が生い茂り、対向車が来たらどちらかが引き返さなければいけないような道。

 そんな道を、プロデューサーさんはまるで慣れ親しんだ道のように進んでゆく。

「プロデューサーさんは、良く此処にいらっしゃるんですかぁ?」

「ん? あぁ。昔、良く来てたんだ。気分転換したいときとか、嫌なことがあったときとかにね」

 そうして、なつかしむようにプロデューサーさんは大きく息を吐いた。

 彼の表情はうかがえないけれど、きっと彼は穏やかな顔で前を見つめているのだと思う。

 山道は暗いけれど、不思議と不安や恐怖はない。

 細い山道をたどるのは、たった一台の車だけ。



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