過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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72: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/04/27(木) 02:44:54.20 ID:DSCeJHgm0
しばらくの間、3人の息遣いだけが響いた。香坂が話したことだけなら、注意すれば済むだけのはず、こうやって身を隠すよう指示した以上、何かが起きた。そう彼は判断したということだ。しかし、疑念が残っていない訳ではない。もし仮に、放浪者がDJフレンドとの関係者ではなく、WWPに組する者だとしたらこれ自体が罠ではないのかと。

恐怖感から育まれたその疑念を持って、香坂は先輩と呼ぶ少年。新井へ視線で訴える。しかし、そうされても彼は答えようがない。この状況下で3人だけで行動して、果たして無事に隠れ場所へ戻れるかと言えば、ほとんどあり得ない。彼等が潜んでいた建物はかなり離れてしまっている。

静かなやり取りは、緊迫による時間経過の遅さを助長させる。もう一人の少女、大倉もその緊張感に耐えられない様子で震えている。

その調子でいた3人に放浪者がいつの間にか側にいた。驚きはしたが、全員は声は出さない。またハンドジェスチャーで付いてくるよう指示を出すのを見て、それに従う。

その後は特に何事もなく、隠し通路に当たる出入り口にたどり着いた。全員が入り込んだのを確認してから、放浪者は静かに施錠した。

「…声を出して構わない。あと少しだ」

また、先導する為に前へ出ようとして、放浪者は振り向いた。


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