過去ログ - これから日記を書く 七冊目
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73: ◆e6bTV9S.2E[saga]
2017/04/27(木) 03:20:12.78 ID:DSCeJHgm0
「…香坂、だったな。なぜ喋った?」

それは質問だった。そして、それは明確に微弱な怒りを含んでいる。そのことを感じた香坂は、言葉に詰まる。

「放浪者さん、わざとやったわけじゃー…」

「…声を聞かれたわけではないが、WWPの兵士がそのことで起きた違和感で、移動する俺達へ向かってきてしまったのは事実だ」

 どこまでも断定的だった。使用しているファントムシリーズの影響で、五感が研ぎ澄まされている彼だから理解できることであり、だからこそ誰も理解できることではない。

「でも、聞かれたのでないなら…」

「…信じるも信じないも自由。どちらにせよ、対処せざる得なかった。迂闊な行動は避けてくれ、それだけだ」

話はそれだけだという様子で、踵を返して再度移動を開始した。納得できない様子の香坂に、新井は肩に軽く手を触れてから、行こうと呟き、彼女は頷いた。


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