29:名無しNIPPER[saga]
2017/04/19(水) 23:23:11.75 ID:t0Az6vrk0
「えっと……そのスーツ、ずいぶん綺麗にされているんですね」
私は気まずくなって、話を別の方向へ逸らした。いや、“私にとっての”本筋に戻した。
「んん? これかあ。近くのゴミ捨て場で食いもん漁ってたら、偶然見つけてな。まだ着れるから、ちょちょっと直して拝借した。…まったく、まだ使えるもん捨てるとは、人間がなっとらん」
ゴミを漁るのは人間としてどうなんでしょう、とは言わなかった。
最近スーツを変えた高垣さんのプロデューサーと、スーツを手に入れたホームレス。それだけなら何とも思わなかったが、スーツがバラバラに切り裂かれていたのが気にかかる。
「おじさん、そのジャケット売ってくれない?」
そう言うと同時に、私は違和感の正体がわかった。情報が、あまりにも簡単に集まりすぎているのだ。
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