過去ログ - 安斎都「ドレスが似合う女」
1- 20
36:名無しNIPPER[saga]
2017/04/20(木) 10:42:16.01 ID:0eIMi64y0

「これは問題だよ…大問題だ」
 会議室で、部長は冷たく言い放った。アイドルをやめなきゃいけないかも、と私は脅えた。故人の部屋に無断で侵入し、部屋を荒らし、物を持ち去ろうとした。いや、実際に持ち帰ってしまったものもある。一歩間違えなくても犯罪だ。
 犯罪者という発想に、私は恐怖した。けれど、妙なおもしろさも感じた。探偵が犯罪者、というジョークを高垣さんは笑ってくれるだろうか。
 私のそばにはプロデューサーさんがいた。私の軽率のせいで管理責任を問われているのだ。彼は、私のミスで相手メディアに謝罪するときと、まったく同じ表情で部長の言葉に耳を傾けていた。私は、プロデューサーさんを疑っていたことを少し忘れて、申し訳なく思った。
「高垣楓がいなくなってから、良くも悪くも均衡は崩れた。彼女が独占していた仕事が、他のアイドル達にも回ってくるようになったんだ。
 賢い君ならわかるだろう、安斎くん。今はもっと、アイドルの仕事に真摯に取り組むべき時期なんだよ。
探偵ごっこなんて・・・」
 探偵ごっこなんかじゃ、と言おうとした時、私のすごく近くで、ものすごい音がした。プロデューサーさんが座っていた椅子を蹴って、立ち上がったのだ。
「ごっこなんかじゃねぇ!!」



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
70Res/67.41 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice