過去ログ - 白菊ほたる「諦め切れないはずの夢」
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4: ◆P4gW9oKees[saga]
2017/04/19(水) 01:54:46.99 ID:Gvx3iZo50
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あれから、ほたるは大きく成長した。
大きな仕事はまだ少ないが、ドラマの脇役やゴシック系の衣装のモデルなど、コツコツと経験を重ねていった。
ほたるは、今までレッスンを中心に行ってきたため、ボーカルやダンスの基礎はしっかりしており、仕事さえとれれば、その実力をいかんなく発揮してきた。
しかし、撮影などの仕事だけは多少苦労していた。
ほたるは、自分のことを不幸体質だと言い、実際に多くの不幸な経験をしてきている。
そのためか、眉毛がいわゆる「困り眉」でほとんど固定されてしまっているため、表情を作るのに苦労しているようだ。
ある時、ほたるがこう言った。
「私って、暗いですよね……。いいんです、よく言われてますから」
それに対し、俺はこう言った。
「なら、もっと笑顔の瞬間を増やしていこう。趣味なんだろ?笑顔の練習」
「練習は、今でもしてますけど、やっぱり難しいです。どうしても悲しげな微笑みになってしまって……」
「それでいいじゃないか。確かに仕事によってはにっこりした表情が必要な時もあるが、そういった表情が必要な時だってある。ま、アイドルとしていろんな表情ができることに越したことはないけどな」
「そういう考え方も、あるんですね」
「ついでに、ほたるがよく言ってる『不幸体質』とやらも、考え方しだいというか気の持ちようだと思うぞ」
「そう、ですか?」
「ああ。例えば、外出したときに財布を家に置いてきてしまったことがあるが、その時はこう思ったんだ。『財布を置いてきたおかげで余計な買い物をせずにすんだ』ってな。こういうこと、ほたるにもあるんじゃないか?」
「…そういえば、天気予報が雨だったので折りたたみ傘を持って出かけたら、一日中お天気だったことがあります。あの時は予報が外れちゃって不幸だな、としか思ってませんでしたけど、よく考えれば、お天気なことはいいことですもんね」
「なっ?そういうもんなんだって。何事も考え方しだいだ」
「そう、思えるようになりたいですね」
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