過去ログ - 【モバマス】白菊ほたる「総選挙。誰ひとりも、なにひとつも」
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9:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:29:04.28 ID:SscOnQKDO
「どんなに不幸でも、トップアイドルに……!」
あの日の私が、プロデューサーさんにしがみついて叫ぶ私が、夢に出てきました。
その必死でみっともない姿は浅ましさと、底知れない欲深さ、自分自身の運命への怒り、夢への嫉妬、あらゆるネガティブでハングリーな感情をぶつけてきます。
私がこちらを見ました。
「腑抜けないで」
以下略



10:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:30:11.04 ID:SscOnQKDO
以前の事務所で、仕事を奪ったことがあります。
もともとその仕事をする予定だった人にとってはラストチャンスで、渋滞というどうしようもなく突発的で個人にはどうにもならない事情さえなければ、彼女は今頃、私の隣にいたかもしれません。
「あなたの行き先、見てるから」
ロッカーの荷物をまとめた彼女は、呆けたように突っ立った私の頭をくしゃりと一撫でして、以後二度と会うことはありませんでした。


11:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:30:53.36 ID:SscOnQKDO
人の幸せとはなんなのでしょうか?
私にそれを語る資格はあるのでしょうか?
私はあの日感じた幸福を忘れずに生きていますか?


12:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:31:57.14 ID:SscOnQKDO
はじめて今の事務所でライブをさせていただいた夜、私はこの公園にいました。
ライブ後の疲れ果てた身体に鞭打って、その日のライブの反省点を洗い出し、反復して踊り直し、掠れる喉で歌詞をなぞりました。



以下略



13:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:34:28.05 ID:SscOnQKDO
気がつけば私は、その日の動きを繰り返していました。
横ステップ、腕を客席に伸ばす、祈るように手を合わせる、その場で回転、ひらひらと腕を舞わす、コール・アンド・レスポンス。
ルーズリーフはベンチに置き、重石も乗せず。
横ステップ、腕を客席に伸ばす、祈るように手を合わせる、その場で回転、ひらひらと腕を舞わす、コール・アンド・レスポンス。
何故、こんなにも焦っているのでしょうか、私は。
以下略



14:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:35:10.82 ID:SscOnQKDO
「誰かといっしょの私が好きって、そう思えるようになったんです」


15:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:36:17.47 ID:SscOnQKDO
勝ち負けも、優劣も、そうして沈んでいく芽も、添え物にしかなれない小道具も、ただひとつ頂点で微笑む女王も、競い合う友達も、夢、願い、私の行き先。
"シンデレラガールズ総選挙"、開催中です。
人の幸せとはなんなのでしょうか?
私にそれを語る資格はあるのでしょうか?
私はあの日感じた幸福を忘れずに生きていますか?


16:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:37:09.21 ID:SscOnQKDO
「そういや、この公園で、ほたるをスカウトしたんだったな」
ルーズリーフはプロデューサーさんに預けました。
結局一文字も書けずに。
「覚えてるか?」
「はい」
以下略



17:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:39:37.09 ID:SscOnQKDO
「やめるか、選挙」
その、
言葉に、ドクン、
と、心臓の、音、が。
音が跳ねました。
以下略



18:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:40:59.49 ID:SscOnQKDO
「私はマイナスです」
みんなには何かがある。
特技、夢、目指したい何か、自分を表現する手段。
私は不幸です。
憐れみを乞うしかない、マイナス。
以下略



19:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:41:42.40 ID:SscOnQKDO
誰かといっしょの私が好きって、そう思えるようになったんです。
いっしょにいられる私が幸せって。
不幸の見方を変えることを教えてくれて。
一歩を見守ってくれてて。
いっしょに泣いたり、笑ったり。
以下略



20:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:43:07.96 ID:SscOnQKDO
勝ち負けも、優劣も、そうして沈んでいく芽も、添え物にしかなれない小道具も、ただひとつ頂点で微笑む女王も、競い合う友達も、夢、願い、私の行き先。
あの日見た、夢の先。
今私が見てるのは、同じものなのでしょうか?


21:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:45:00.68 ID:SscOnQKDO
「逆に、なんで行けないと思う?」
「明日を信じられるようになったのは最近で……それに、頂点はひとつしかないですから……」
今の私と、昔の私。
どっちも強くて、だから引き裂かれそうで。
蹴落としたくない。
以下略



22:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:45:53.19 ID:SscOnQKDO
「……えっとな」
言おうかどうか迷っていた風なプロデューサーさんは、意を決したらしく、私に向き合います。
優しい目で。
「向こうも同じなんだ」


23:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:47:07.94 ID:SscOnQKDO
「……え」
向こう。向こう?
「散々迷っての宣戦布告だったんだとさ。ほたるは、その挑戦状を破り捨てるのか? ほたるを信じて勝負を挑んできたんだぞ」
私の、友達。
総選挙、頑張ろうね。負けないから。
以下略



24:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:49:07.10 ID:SscOnQKDO
「おおっと、結果発表は明日だぞ、まだはやい」
うつむいた私の頭に、ぽん、と置かれた手のひらが優しくて。
「寮母さんが心配してる、帰ろう。こいつは明日、ふたりで考えようか。プロデューサーの仕事でもあるしな」
そう言ってプロデューサーさんがひらひらさせる真っ白なルーズリーフ。
罫線が、輝くお城への階段に見えました。


25:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:51:14.53 ID:SscOnQKDO
レッスンが終わって、一休み。
ドリンクを飲む友達に、私は拳を突き出します。
「総選挙、勝つのは私だから」
一瞬きょとんと私の手の甲を眺めていた友達は、すぐに意味を理解すると、
「こっちも、気持ちは負けてないよ」
以下略



26:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:52:13.93 ID:SscOnQKDO
プロダクション所属アイドル全員の順位を決める、"シンデレラガールズ総選挙"が開催中です。
私、白菊ほたるに、清き一票をお願いします。

おしまい


27:名無しNIPPER[saga]
2017/04/23(日) 20:55:05.30 ID:SscOnQKDO
過去に自分が書いたSSを、以下に晒します。
いずれも拙いものばかりですが、これらを読んで少しでも白菊ほたるという少女に魅力を感じていただけましたら、その気持ちを一票という形で表していただけると幸いです。


【モバマス】幸福の育て方
以下略



28:名無しNIPPER[sage]
2017/04/23(日) 20:59:29.33 ID:uWOrBVv+O


とりあえず現時点で900と5票入れてきた


29:名無しNIPPER[sage saga]
2017/04/24(月) 13:00:20.83 ID:YkirW7FGO
それでも俺は比奈に入れる


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