過去ログ - 電「軍艦と人間、その境界で生きる」
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31: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:11:03.22 ID:akTA4kE+0
「……チビは、南に20海里言った所に小さな島が点々としている場所に全速力で向かえ。あそこなら敵をうまく撒いて、撤退する部隊と合流出来るはずだ」
「じゃあ、早く行くのですっ! 」
32: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:12:52.57 ID:akTA4kE+0
「お前だけで行け。敵艦は俺がひきつける」
33: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:15:40.42 ID:akTA4kE+0
「い……いやです! 嫌なのです! お姉ちゃんも一緒に行こうよっ……!」
私はお姉ちゃんに詰め寄り、必死に止めようとしました。
34: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:18:59.22 ID:akTA4kE+0
私は怖かったのです。
この時分かったのが、私は他の艦娘とは違い、私にとって最も大切な存在が、司令官さんの存在ではなく、お姉ちゃんの存在だという事なのでした。
35: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:21:08.80 ID:akTA4kE+0
「泣くなよ。所詮、俺は艦娘だ。生まれた時から戦って死ぬつもりだったぜ。それに、誰かを守って死ねるなら……これ以上の名誉はねぇよ」
「死んじゃダメなのです……! 私……お姉ちゃんが居なきゃダメなのです……」
36: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:23:38.64 ID:akTA4kE+0
私のその先の言葉を遮るように、お姉ちゃんは泣きじゃくる私の頭の上に、残された側の手を乗せ、いつものように私の髪をぐしゃぐしゃと撫でました。
37: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:24:59.57 ID:akTA4kE+0
「俺はこの時の為に、流されるまま生きてきたんだってな」
38: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:26:51.44 ID:akTA4kE+0
そうして、お姉ちゃんは迫りくる多数の敵艦を見据えました。
39: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:29:09.25 ID:akTA4kE+0
「行けっ! もうすぐ2回目の斉射がくる!」
40: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:30:48.71 ID:akTA4kE+0
「じゃあな、電……強く生きろよ」
41: ◆AyLsgAtuhc[saga]
2017/04/23(日) 22:32:28.40 ID:akTA4kE+0
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敵の追っ手はなく、私は撤退する部隊に上手く合流する事が出来ました。
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