過去ログ - 鷺沢文香「過去と回顧とこれからと」
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61: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/29(土) 02:14:49.34 ID:tUySYBDI0
「鷺沢さんが好きなものを、俺も知っておきたいから。」
これが、今まで続く私たちの関係の、きっかけの言葉でしたね。実を言うとかなり困りました。好きな本を他人に薦めたことが、私にはなかったのです。
初めての本の推薦に、私はどうしたら良いか分からなくて。戸惑いながら薦めたあの本が、気に召さなかったらどうしようかと、しばらくの間、落ちつけなかったのですよ。
だから、私の薦めた本を「面白かった」と言ってもらえるのは嬉しかったです。安心と、なぜか少しの恥ずかしさが同居していました。そして、それ以上に嬉しさが。
自分の好きなものを認めてもらえるのが、ここまで嬉しいなんて。これも、私が知らなかったことです。
貴方の薦めてくれた本も、多くの新しい世界を、私に見せてくれました。知らなかった書に出会う喜びは、何にも代えがたいものですからね。
貴方にも、それを体験してほしくて、多くの本を貴方に薦めてしまいました。ある一つの書に対する貴方の感想は、私のものとは違いました。
同じものに違う感想を抱き、それを共有する。今までしなかったこと。しようとも思わなかったこと。初めてだったこと。
その初めてだったことは、いつしか私の日常の一部になっていました。何度も交わした言葉の一つ一つは、私にとって、全てがかけがえのないものになっています。
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