過去ログ - 鷺沢文香「過去と回顧とこれからと」
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62: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/04/29(土) 02:16:00.41 ID:tUySYBDI0
レッスンと、感想会。新鮮で、心地良い日常。そんな日が、しばらく続いていた時でしたね、貴方が傷だらけになって出社してきたのは。
「…鷺沢さんには本当のこと言っておくと、チンピラに絡まれたんだよ。でも、余り大事にしたくなくてさ、ちひろさんには電話で体調不良って事に…。」
すぐに、貴方が嘘をついていることが分かりました。…苦しそうな、とても苦しそうな顔でしたので。
「見た目よりは痛くないから、心配しないで。」
痛そうな顔を、無理矢理綻ばせていた貴方は、悲しそうに私の目に映りました。でも、貴方は嘘を無意味につくような人ではない。…これまでの重ねてきた会話から、私はそう思っていました。
だから、よほどの理由があるのだろう。嘘をつかなければならない何かが、あったのだろう。
そして、それは私が知ってはならないことだろう。
だから私は、騙されることにしました。今はまだ、知らなくていい。知らないままで、貴方に騙されないと、でないと、その悲しそうな顔が、更に悲しくなってしまうと…私は恐れたのです。
貴方のそんな顔は、見たくない。
そのときは、その一心で、貴方の嘘に乗りました。
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